エンジニアが娘(小1)に『ルビィのぼうけん』を読み聞かせてみた
- 作者: リンダ・リウカス,鳥井雪
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/04/11
- メディア: 単行本
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Webアプリケーションエンジニアをしている私には、小1になる娘がいます。
最近では小学校一年生の授業でパソコンを習い始めるらしく、
「ダブルクリックのやり方をならってきた」
などと自慢してくるようになりました。
そして、私が自宅で開発作業をしていると、横から見てきたりして「プログラミング」という行為を認識したようで、
「私にプログラミングを教えて」
と言うようになってきました。
普段の業務ではRubyをちょっと使っていることから、私は 苦し紛れに 『ルビィのぼうけんコンピューターの国のルビィ』という本を読み聞かせに使ってみることにしました。
絵本の読み聞かせは、娘に寝る準備を全部終わらせた状態で、(会社が早く終わって)私が家にいる場合に行うことが多いです。
私としては
「絵本を読み聞かせできるという二度と訪れない期間を、しっかりと心に刻んでおきたい」
という親心と、
「早く娘に寝てもらって自分の時間を確保したい」
という利己心が織りなす、アンビバレントな時間ですw
比喩に逃げすぎないハードウェアの国
『ルビィのぼうけんコンピューターの国のルビィ』は、「ルビィ」という女の子がパパのパソコンで遊ぼうと思ったら、マウスカーソルがどこかに行ってしまって困ったので、マウスホールからパソコンに入って探しにいくという風に始まります。
ルビィははじめに「ハードウェアの国」に行き、コンピュータの構成要素と出会います。
絵本だし子供向けの語り口だったので、「コンピュータの国」といってももっと比喩的なキャラが出てくるかと思ったのですが、「CPU」や「ラム」(RAM)や「ディスク」や「ゲート」(ANDとかORとか)が、そのままの名前で登場してきます。
そもそも最初に出会うのが「電気信号さんたち」で、
1 か 0 しかしゃべらないし、『はい』と『いいえ」よりむずかしいことを言うには、ビットが、8こひつようなんだ。
というハードで正確すぎる描写には、少し焦らずにはいられませんw *1
私が気に入ったのは「GPU」のページ。
GPU(Graphics Processing Unit)は、主に画像処理用のプロセッサのことです。
絵本の中でも、「GPU」は画家風にベレー帽をつけて絵らしきものを描いています。でも描いているものは(マウスカーソルのような)具体的な内容ではなく、抽象画のような色の羅列なんですよね。
私はハードウェアについては(も?)完全に素人なのですが、実際にGPUが行っている処理内容は「描画」というより「計算」なので、GPUが「これはマウスポインターだ」と認識して何かを処理することは、基本的にはないと思います。
「GPU」を前にして
マウスポインターのかげも形もないなぁ
というセリフが出てくるのですが、正しい反応ですね。
最近のGPUは仮想通貨のマイニングでこき使われることもありますが、もちろんこのページで仮想通貨が描かれることもありませんw
このGPUのページは色彩ががとてもきれいで娘に翌日聞いても覚えていたので、この本の中でもハイライトの一つでした。
オペレーティング・システム (>_<
ルビィは、ハードウェアの国で「ディスク」さんから
「マウスポインターは、このハードウェアの国では見つかりませんよ」
という今更なことを言われ、「ソフトウェアの国」に行くことになります。
「ソフトウェアの国」では、絵本では音符やゲームなどのアイコンが出てきて、娘に「これ知ってる?」と聞くと「パックマン」とか「お絵描きアプリ」などど返ってきます。(「パックマン」とかどこで覚えてきたんだろう...)
絵本の中でルビィも
「ここはなんだか見おぼえがあるなぁ」
「わたしの好きなゲームもある!」
という反応をするので、ハードウェアの国よりソフトウェアの国のほうが、子どもも身近に感じやすそうです。
そうこうしているうちに「雪ひょう」さんが出てきて
「わたくしのオペレーティング・システムは、とても使いづらくて」
などと言うので、絵本の中のパパのパソコンはMacだったのか... と親しみを覚えたりしましたw (この本、こういう小ネタがちょっとずつ散りばめられてます)
- 出版社/メーカー: アップル
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: DVD-ROM
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「「オペレーティング・システム」という用語が急に出てくるので、娘から「オペレーティング・システムって何?」という質問が来たらどう答えようかと焦ります。 *2
ルビィが探していた「マウスポインター」は、「ソフトウェアの国」で「ぐっすりとねむっている」ところを見つけられることになります。
翌日娘に、「『ルビィのぼうけん』でどこが一番面白かった?」と聞くと、
「マウスポインターがベッドでねているところ。かわいいかったから」という返答が返ってきました。
たしかにマウスポインターがベッドで横になって目をつぶっている絵は、シュールでかわいかったですね。
Macを使っていてフリーズしてカーソルがレインボーカーソルになったときにも、この絵を思い出して正常心を保てるようになりそうです(願望)。
他に好きな本とまとめ
娘のお気に入りになったらしく、翌日以降も寝る前に『ルビィのぼうけん』の読み聞かせをせがんでくるようになりました。
実はそれより前に、娘に「一番好きな絵本は何?」と聞いたら、返ってきた答えはこの本 ↓
- 作者: ジョセフダグニーズ,ジョンオブライエン,Joseph D’Agnese,John O’Brien,渋谷弘子
- 出版社/メーカー: さえら書房
- 発売日: 2010/09
- メディア: ハードカバー
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プログラマにはフィボナッチ数列でおなじみの数学者、レオナルド・フィボナッチの伝記絵本です。
正直、小1女子のセレクトとしては渋すぎ&難解すぎます。何度も読み聞かせをしているのですが、フィボナッチ数列の紹介の下りなどは、理解しているようには全然見えません。
それでも彼女が「好き」という理由は、本の内容が刺さったこともあるとは思うのですが、どちらかというと読み聞かせをする私が楽しそうだからだと思うんですよね。
私はフィボナッチがアラビア数字をヨーロッパに紹介したことなど全然知りませんでしたし、フィボナッチ数列の自然界での奇妙な出現は、ホントに読んでいて楽しい。プログラマーとしても身近な話題なのでわくわくしてしまいます。そして私が面白そうに読むので、娘もつられて面白がっているんだろうなぁと、勝手に思っています。
やはり誰かに楽しさを教えるには、自分が楽しむのが大事だなと、改めて思いました。
『ルビィのぼうけん コンピューターの国のルビィ』は、私自身とても気に入った絵本です。したがって、おそらく娘も好きになる絵本になるでしょう。
実は、この本の前作、『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』は電子書籍で以前買っていて、こちらも娘には好評でした。
- 作者: リンダ・リウカス,鳥井雪
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/05/20
- メディア: ハードカバー
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ただ、電子書籍の絵本をタブレットで読み聞かせるのは色々ツラく、最近はあまり読ませていませんでした。これを機に、前作を紙の本で買いなおすのもありかと思っています。