団体行動が苦手な私のための : 『スモール・リーダーシップ』
スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー
- 作者: 和智右桂
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「体育会系」的な組織観が今どきの人たちをまとめられなくなってきていて、私はこれがもともと苦手だったので隠れてホッとしています。
本書が言うように、細かい指示を出してチームを率いるオレオレな「支配型リーダー」から、「奉仕型リーダー」のニーズが高まっているというのは、リードされる側を長くやってる身からしても実感に合っています。
ゴールについて共有しつつ、メンバーの多様性を尊重し、コミュニケーションを通じて全員の意思を統一しながら進んでいくようなリーダーシップが求められます。
「意思を統一する」ということは、全員が納得する→責任をもつということにつながり、結局一番効率のよい組織になります。やらされているメンバーは本気出さないですし、「やらされているから」という最強の言い訳をずっと心に秘めていられます。
また、私は団体行動は苦手なのですが、「多様性を尊重」してくれるのも嬉しいリーダーシップの形ですね。
メンバーのモチベーションは上がらず、非効率でアンバランスな負荷分散に陥る「負のスパイラル」状況のチームへの打開策として、
負のスパイラルを生み出すきっかけは知識量のばらつきでしたが、それを加速させているのは「できる人がやる」という発想です。取り組むべきなのは、その発想を克服し、「できないことができるようになる」へとシフトすることなのです。
リーダーとは、目標を示し、それを達成するための作戦を立て、そこに向かってメンバーを動かしていく人です。
というリーダー像を提示しています。
これは、スキルアップへの志向という意味でチームのメンバーとリーダーで利害が一致しているので、すごく取り入れやすいです。
このためにはチームのメンバーは絶えず成長していかないといかないですし、効率的な運営が必要手法です。
そのためのノウハウとして、計画、コミュニケーション、PDCAといった具体的な施策を解説しています。こういった教科書的な知識(スキル)は、知ってるか知らないかの問題の話なので、知っていて損はないです(知らない人が0から議論し始めると時間がかかる)。何かあったら見返すと思います。
「対外的な影響を調整する」の章はおもしろくて、
- チームの裁量の及ぶ範囲を意識 → 自分たちだけで判断できるものとできないものを厳格に区別
- 依頼元への「脅迫」(こうしないと間に合いません)はしない。選択肢や情報を丁寧に与える
といったことは、あるあるなので気をつけていかないと。
理想は攻殻機動隊みたいな組織なので、とりあえず理想を追い求めていきたい。
— V (@voluntas) July 28, 2018
攻殻機動隊は、一応素子というリーダーはいるものの、チームのメンバーは全員プロ中のプロで、常に自律的に行動します。あからさまな「リーダーシップ」みたいなものが存在しないというのが理想、というのはおもしろいと思いました。