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団体行動が苦手な私のための : 『スモール・リーダーシップ』

スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー

スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー

「体育会系」的な組織観が今どきの人たちをまとめられなくなってきていて、私はこれがもともと苦手だったので隠れてホッとしています。

本書が言うように、細かい指示を出してチームを率いるオレオレな「支配型リーダー」から、「奉仕型リーダー」のニーズが高まっているというのは、リードされる側を長くやってる身からしても実感に合っています。

ゴールについて共有しつつ、メンバーの多様性を尊重し、コミュニケーションを通じて全員の意思を統一しながら進んでいくようなリーダーシップが求められます。

「意思を統一する」ということは、全員が納得する→責任をもつということにつながり、結局一番効率のよい組織になります。やらされているメンバーは本気出さないですし、「やらされているから」という最強の言い訳をずっと心に秘めていられます。

また、私は団体行動は苦手なのですが、「多様性を尊重」してくれるのも嬉しいリーダーシップの形ですね。

メンバーのモチベーションは上がらず、非効率でアンバランスな負荷分散に陥る「負のスパイラル」状況のチームへの打開策として、

負のスパイラルを生み出すきっかけは知識量のばらつきでしたが、それを加速させているのは「できる人がやる」という発想です。取り組むべきなのは、その発想を克服し、「できないことができるようになる」へとシフトすることなのです。

リーダーとは、目標を示し、それを達成するための作戦を立て、そこに向かってメンバーを動かしていく人です。

というリーダー像を提示しています。

これは、スキルアップへの志向という意味でチームのメンバーとリーダーで利害が一致しているので、すごく取り入れやすいです。

このためにはチームのメンバーは絶えず成長していかないといかないですし、効率的な運営が必要手法です。

そのためのノウハウとして、計画、コミュニケーション、PDCAといった具体的な施策を解説しています。こういった教科書的な知識(スキル)は、知ってるか知らないかの問題の話なので、知っていて損はないです(知らない人が0から議論し始めると時間がかかる)。何かあったら見返すと思います。

「対外的な影響を調整する」の章はおもしろくて、

  • チームの裁量の及ぶ範囲を意識 → 自分たちだけで判断できるものとできないものを厳格に区別
  • 依頼元への「脅迫」(こうしないと間に合いません)はしない。選択肢や情報を丁寧に与える

といったことは、あるあるなので気をつけていかないと。

攻殻機動隊は、一応素子というリーダーはいるものの、チームのメンバーは全員プロ中のプロで、常に自律的に行動します。あからさまな「リーダーシップ」みたいなものが存在しないというのが理想、というのはおもしろいと思いました。